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2007 年度 実績報告書

自己複製ベシクルにおける膜分子立体構造の世代間伝達の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17750121
研究機関鈴鹿工業高等専門学校

研究代表者

高倉 克人  鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 講師 (60396843)

キーワード自己複製ベシクル / フローサイトメトリー / 反応活性両親媒性分子 / ベシクル融合
研究概要

1.ベシクル構成分子として長鎖末端にベンズアルデヒドの結合した2本鎖型両親媒性分子を合成した。これに水溶性アニリンを脱水縮合させたイミン誘導体を養分と見立て、別途合成した蛍光標識型触媒を用いたベシクル自己複製系に対し、フローサイトメトリーの手法を利用したダイナミクスの統計的解析をおこなった。その結果、2世代目のベシクルのサイズ分布は1世代目のものと近いが、触媒の量は減少していることが示された。さらに、2世代目のベシクルに触媒の水溶液を添加することにより触媒の量を回復させて、安定に自己複製が繰り返されるようになった。
2.疎水末端にフランを有する両親媒性分子を合成し、水溶液中におけるDiels-Alder反応について検討をおこなった。重水中でジエノフィルであるマレイミドを添加し、^1H NMRスペクトルの経時変化を観測したところ、徐々にDiels-Alder生成物に帰属されるシグナルの強度が増大していくことが確認された。さらに、これらより作製したジャイアントベシクルにマレイミドを添加した際の形態変化を光学顕微鏡により観測したところ、反応の進行に伴い、1本鎖型分子と2本鎖型分子の1:1混合物より作成したべシクルについては膜の硬化というダイナミクスが、さらに1本鎖型分子と2本鎖型分子の4:1混合物より作成したべシクルについてはジャイアントベシクルの融合が起こることを見出した。これらのダイナミクスは反応により膜分子が後天的に水素結合サイトを獲得し、膜内および膜間水素結合を形成することにより引き起こされると考えられる。このような化学反応によりジャイアントベシクルの融合が引き起こされる系は高い新規性を持つものと考えられる。
3.疎水末端にマレイミド基を有する両親媒性分子を合成し、水溶液中におけるDiels-Alder反応について検討をおこなった。長鎖アルキル基の結合した脂溶性フラン誘導体の形成する油滴に対し、マレイミド型両親媒性分子のミセル溶液を添加すると、Diels-Alder反応の進行に伴い油滴表面からチューブ状ジャイアントベシクルが形成されていく様子を観測することに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Population Study of Sizes and Components of Self-Reproducing Giant Multilamellar Vesicles2008

    • 著者名/発表者名
      Taro Toyota, Katsuto Takakura, Yoshiyuki Kageyama, Kensuke Kurihara, Naoto Maru, Koji Ohnuma, Kunihiko Kaneko, Tadashi Sugawara
    • 雑誌名

      Langmuir 24

      ページ: 3037-3044

    • 査読あり
  • [学会発表] 疎水末端にマレイミド基を有する両親媒性分子の合成と性質2008

    • 著者名/発表者名
      高倉克人・倉田学
    • 学会等名
      日本化学会第88回年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 疎水末端にフランを有する両親媒性分子の合成と性質2007

    • 著者名/発表者名
      高倉克人・押小路萌・仁尾暢文・矢田安里
    • 学会等名
      第38回 中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 発表場所
      三重大学
    • 年月日
      2007-11-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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