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2005 年度 実績報告書

磁気アルキメデス浮上法を利用した液液界面における非線形化学反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17750150
研究機関東京工業大学

研究代表者

池添 泰弘  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 産学官連携研究員 (70334315)

キーワード磁気アルキメデス浮上 / 液液界面 / 非線形化学反応 / 界面活性剤 / 界面張力
研究概要

本研究では、磁場を利用した物質浮上法である磁気アルキメデス浮上法を、汎用性の高い安価な永久磁石を用いたシステムに応用する。具体的には、ある液体を別の液体中に浮上させることで、容器の壁などと接触していない純粋な液液界面を作り、界面化学反応に付随した非線形現象を解明することを目的としている。
本年度は、最大磁場強度0.4テスラのNd-Fe-B系の永久磁石(穴の開いた円筒型)の磁場分布測定、ならびに磁場強度の3次元分布から計算された液体浮上条件の計算を行い、約1mlのニトロベンゼンを濃度の濃い塩化マンガン水溶液中に浮上させることに成功した。本手法により、ニトロベンゼンは塩化マンガン水溶液を入れてある容器の壁には全く接触することなく、ほぼ完全な球形で浮上させることが可能となった。
これまで、界面活性剤を含む油と水の界面では、しばしば非線形吸着脱離現象や界面の運動などが観測されているが、特に液体の運動現象については、容器壁への界面活性剤の吸着脱離過程が原因である、といった説明がなされている。ところが、今回、水溶液中で油を浮上させた状態で同様の実験を行ったところ、固液界面が存在しないにもかかわらず、液体界面の様々な点から円状に広がる対流のような運動が不規則に表れることが観測された。このことは、液液界面の運動には、必ずしも固液界面における分子の吸着脱離が必要ではないことを強く裏付けるもので、界面非線形現象における新しい知見を与える重要な結果である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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