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2005 年度 実績報告書

備前焼模様の材料科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17750199
研究機関倉敷芸術科学大学

研究代表者

草野 圭弘  倉敷芸術科学大学, 芸術学部, 助教授 (40279039)

キーワード備前焼 / 鉄分 / 模様 / 色調 / 酸素分圧 / 微細構造 / 青備前 / 窯変
研究概要

備前焼模様「青備前」および「窯変」について,作家による作成条件を調査した結果,「青備前」は,備前焼粘土に稲藁を巻き、強還元雰囲気下で熱処理すると現れ,素地部は青味のあるグレー色となり,稲藁を巻いた部分が黒色となることが分かった.また,「窯変」模様は作品を窯の端部の角に置き,燃料として用いる赤松の灰に作品が埋もれることにより形成することが分かった.更に,「窯変」模様の形成にも酸素分圧の影響が大きいことが分かった.
備前焼粘土のペレット状試料の上に稲藁を置き,種々の酸素分圧下で熱処理を行った結果,酸素0%のガス中で熱処理すると試料表面は「青備前」と同じ黒色となることが分かった.稲藁が無い場合は青味のあるグレー色となることから,黒色は稲藁の燃焼による強還元の結果であると考えられた.備前焼粘土は鉄分を多く含むため,Fe^<3+>の一部が還元され黒色のマグネタイト(Fe_3O_4)が生成したと思われたが,粉末X線回折(XRD)およびメスバウアー分光の結果,マグネタイトの生成は認められなかった.構成相は,ムライト(3Al_2O_3・2SiO_2)および石英(SiO_2)であった.還元雰囲気下ではクリストバライト(SiO_2)は生成しないことが分かった.
備前焼粘土を酸素1%のガス中で熱処理すると,試料表面がオレンジ色となることが分かった.この色は,「窯変」模様のオレンジ色の部分相当する.XRDの結果,試料表面の構成相は,酸素0%のガス中で熱処理した試料と同じであった.
酸素2%以上のガス中で熱処理すると,試料表面は「緋襷」模様の赤色となることが分かった.
現在,電子顕微鏡観察(SEM,TEM)により上記模様の微細構造の詳細を検討している.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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