• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

単一分子計測に向けたSTM-電場変調分光法の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 17760021
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

飛田 聡  理化学研究所, 石橋極微デバイス工学研究室, 基礎科学特別研究員 (30361778)

キーワード走査トンネル顕微鏡 / 電場変調分光 / 単一分子計測
研究概要

本研究では、申請者らが考案・開発したSTM-電場変調分光法のもつポテンシャルを最大限引き出すことにより、単一分子計測を可能にしうる強力な実験手法を誕生させることを目指した。最終年度となった今年度は、変調電場に対する分子の周波数応答を個別に検出・解析するため過去二年間にわたって設計と開発を進めてきたSTM-電場変調分光装置の制御系および信号検出・処理系を超高真空STMに組み込んで、その性能を評価するとともに、本手法の有効性を示すためのデモンストレーション実験を行った。具体的には、ラングミュア・ブロジェット法を用いて、あらかじめ精密に構造を規定した色素分子膜を基板上に作製し、開発した新システムでSTM-電場変調分光測定を行った結果、当初の予想通り、膜構造が対称中心をもつか否かに応じて異なる周波数に現われる変調電場への応答成分を、S/N良く検出することができた。また、対称中心をもつドメインと持たないドメインが混在する膜構造を準備し、STM探針を走査しながら周波数応答をマッピングすることで両ドメインの空間分布をイメージングすることを試みた結果、STMトポグラフ像からは識別が困難であったドメインの大きさやその種類を、画像中に明瞭に捉えることができた。さらに、基板上に離散的に吸着させたナノサイズの色素分子会合体を対象として高分解能測定を試み、それぞれの会合状態を反映していると解釈できる周波数応答信号を検出することに成功した。このように、本研究課題を通して、以前はなしえなかった高度な測定が可能となり、STM-電場変調分光法は新たなる一歩を踏み出した。

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi