研究課題
本研究の目的は、テラヘルツ(THz)波で生体試料の分光を可能とするシステムの構築であり、特に以下の2つの要素技術を研究開発することにある。(1)小型T且z波光源の開発、(2)導波管を用いた近接場分光法の開発。そこで本研究課題の初年度に当たる平成17年度には、トップハット型のビームプロファイルを持つ励起光源を採用し、ニオブ酸リチウム結晶における誘導ラマン散乱によるTHz波発生の高効率化を検討した結果、出力100pJ/pulse以上、発生したTHz波の帯域0.9〜3.8THzを得ることができた。この理由としては、従来のガウシアン分布の強度分布を持つ励起光光源では、強度の高い部分がニオブ酸リチウム結晶内部にあったため、発生したTHz波の大半が同結晶により吸収されていたが、トップハット型の強度分布を持つ励起光光源を採用することにより、THz波が発生する結晶面にビームを近づけることができ、効率よくTHz波を取り出すことができるためと、熱損傷閾値を緩和することができたためと考察される。また、安定なCW光源であるBWO(後進波管)を用いてシリコンロッド中を伝播させたモデル実験を行い、透過特性の評価を行った。その結果、シリコンロッド中では伝播モード(TE11)でTHz波が伝播している事が明らかとなり、シリコンロッドに水を付けた場合透過強度が変化する様子が確認された。現在、光軸を変更させることなく液体サンプルを測定できる専用ホルダーを設計しており、ロッド径の最適化を行うと共に、先に開発している小型THz波光源との組み合わせにより分光システムの構築を目指す。
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Conference on Lasers and Electro-Optics and Quantum Electronics and Laser Science Conference 2006 (印刷中)
International Conference on Quantum Electronics 2005 And the Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics 2005 (CD-ROM)
ページ: 1759-1760
Technical Digest of 2005 Microwave Workshops and Exhibition
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The Ninth International Symposium on Contemporary Photonics Technology
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