研究概要 |
光情報通信・処理を実現するためには,1入力に対してN出力を行う光分波素子や,波長多重化を行う波長選択素子を高密度に集積化する必要がある.本研究では,透明材料内部に多モード干渉導波路アレイを作製し,3次元空間での波長分割を実現し,さらにその分光パターンをスイッチさせる,多モード干渉導波路アレイによる3次元分光スイッチの作製を目的とする。 本年度は(1)多モード干渉光導波路の試作再生増幅チタンサファイアレーザーからのフェムト秒レーザーパルスをシリカガラス内部に集光し,多モード干渉光導波路の試作を行い、集光レンズの開口数,パルス幅,エネルギー,走査速度など作製条件のデータベース化を行う.(2)多モード干渉光導波路の光学特性評価作製した多モード干渉光導波路の屈折率分布特性,損失評価する.また,多モード干渉導波路の幅,長さを変化させることにより,平面導波路部分からの出力パターンの違いを検討する.また,ビーム伝播法による伝播光の数値解析を行い,実験結果と比較する.(3)多モード干渉光導波路の分光特性評価作製した多モード干渉光導波路に広帯域光の分光特性(400nm〜1.5μm)を評価する計画であった。 増幅チタンサファイアレーザー光パルス(中心波長800nm,パルス幅85fs,繰り返し周波数1kHz,強度1.5μJ/pulse)を開口数0.30の対物レンズを用いて,シリカガラス試料中に集光照射し,直径約2μm,長さ約100μmの直線導波路と長さ、幅が異なる平面導波路から成る多モード干渉導波路を作製した. 1.30μm、長さ約870μmの平面導波路の場合、平面導波路端面からの出力は、波長500nm、550nmで4出力、波長600nm、650nmで3出力が得られた。 2.長さ約870μmの平面導波路で、幅を40μm、50μmと変化させた場合、平面導波路端面からの出力モード数は増大することを実験により示した。 3.幅30μm、長さ1.23nmの平面導波路端面からの出力は、波長が500nmから600nmにおいて、5から6個の多モードになることを示した。
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