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2005 年度 実績報告書

カシミア力で駆動される量子アクチュエータの光制御

研究課題

研究課題/領域番号 17760057
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

乾 徳夫  兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (70275311)

キーワードCasimir力 / Casimir効果 / アクチュエータ / シリコン / 光励起
研究概要

Casimir力は金属や誘電体をサブミクロンの間隔で接近させた場合に急激に増大する力である.従って,Casimir力の研究はマイクロ・ナノテクロジーの分野で今後重要視されていくと考えられる.
我々は多くのマイクロマシンがシリコンから製作されていることを考慮して,シリコン間に作用するCasimir力の研究を進めてきた.特に,半導体であるシリコンは光照射により電気伝導度が変わるという特異な性質を有している.この特徴を活かしたアクチュエータの研究が本課題の主たるテーマであり,今年度は主として4つの成果があった.
(1)532nmの励起光をシリコンカンチレバーに照射した状態で,金属に接触する過程をリアルタイムで観測した.[電気学会マイクロマシン・センサシステム研究会資料:Vol.MSS-05,No.21-44,p.7(2005)]
(2)シリコンへの光照射で発生するキャリアが引き起こす変形を解析した.キャリアには電子とホールが存在するが,従来の理論ではその違いを無視してキャリア密度のみで歪みが計算されていた.我々はホールと電子の密度差も考慮した理論を提案した.[JJAP, Vol45,No.3A, p.1675(2006)]
(3)光で駆動するマイクロモータを提案した.シリコンに光照射を行うと,電子とホールの拡散係数の違いからシリコン内部で分極が起こる.この性質を利用した回転子を提案し,シリコン内部のキャリア密度の時間変化を数値計算で求めることにより発生するトルクと最大回転数を推定した.この結果は,カシミア力で駆動される量子アクチュエータの設計にも活かされる.[印刷中]
(4)光照射によるCasimir力の横成分の変化について理論的解析を行った.シリコン間のCasimir力はキャリア密度に依存しているので,キャリア密度を変化させることによりCasimir力を制御できる.光強度がガウス分布であるレーザ光をシリコンに照射した場合に発生する横方向のCasimir力を数値計算により求めた.[JPSJ, Vol.75,No.2,p.024004(2006)]

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Charge Density Dependence of Photoinduced Stress in Semiconductors2006

    • 著者名/発表者名
      Norio Inui
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics 45・3A

      ページ: 1675

  • [雑誌論文] Casimir Force between a Metallic Sphere and a Semiconductive Plate Illuminated with Gaussian Beam2006

    • 著者名/発表者名
      Norio Inui
    • 雑誌名

      Journal Physical Society of Japan 75・2

      ページ: 024004

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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