研究概要 |
研究実績の概要は以下のとおりである. 本研究は,国産の数値手法である「離散変分法」を有限要素法に拡張することを目的としていたが,その中で以下の知見を得た. まず前年度までの研究により,本来差分法の枠組を用いて定義されていた「離散変分導関数」が素直にGalerkin法の枠組に拡張され,それにより素直な有限要素法版離散変分法が定義されることが,空間1次元のいくつかの標準的問題に対し示されていた.このとき特に有限要素法による実装を念頭に,近似空間を(C^1ではなく)H^1にとれることも示した. 本年度は,この研究を以下の2点で拡張した. 1.Korteweg-de Vries方程式などで実際に実装計算を行い,構築されたスキームの有用性を確認した. 2.従来,「離散変分法」で扱えなかった新しいタイプの浅水波方程式(具体的には近年注目を集めているCamassa-Holm方程式など)に対して,有限要素法版離散変分法が拡張・適用可能であることを示した.
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