研究概要 |
流れの中の最短経路問題をボート航行距離方程式と呼ぶ偏微分方程式の境界値問題に定式化して解くことを提案した.また,曲面の場合にもボート航行距離方程式を与えた.そして,これらの方程式に対して,数値計算法を考案してきた.この定式化は流れが速いときには適用できなかったが,その場合に対応できるように,新たな常微分方程式の系を構築した.その方法は,マーカー粒子法を応用した方法である.この計算には法線方向を求める計算をしなければならないが,数値計算から求めると不安定性を示す.それに対して安定に計算できる独立粒子法を提案した. 今回これらの成果を実際の問題への応用を試みた.流れがボートより速いという現象は汚染物質の拡散する現象で起こることなので,それがうまく計算できるかどうかを試みた.また,ボートの速さを火の拡がりやすさ,流れを風とすることで森林火災のシミュレーションを試みた. その他に,曲面に対する常微分方程式の系を構築したことを昨年報告したが,それが間違っていたが,その修正を行ない有効性を確認した.
|