| 研究概要 |
本研究は,センサ・アクチュエータ等を一体融合化した知能電子デバイスの設計・開発に資することを目的に,圧電効果を有する電子複合材料の検知・判断・応答特性評価を数値シミュレーション・実験両面から行うものである.本年度は,圧電積層材料,傾斜機能圧電材料をモデル化し,材料内部・界面の構造等を考慮して電気力学解析を行い,機能特性に及ぼす複合構造・界面及び使用条件等の影響を解明した.また,電子複合材料の電気力学試験を行い,性能に及ぼす複合構造・界面特性及び使用条件等の影響を明らかにした.得られた成果を要約すると以下の通りである.
1.圧電板を金属板の上下両面に積層した三層パラレル型圧電積層片持ちはりを対象に,交流電場による曲げ試験および電気弾性・非弾性解析を行った.実験は,圧電積層片持ちはりの上層に電圧を印加して行い,最大たわみを測定した.また,分域壁移動を考慮した理論・有限要素解析を行い,実験結果に理論的検討を加えて電気弾性・非弾性挙動を明らかにした.
2.(1)片持ち傾斜機能圧電アクチュエータを対象に,交流電場による曲げ試験および数値シミュレーションを行い,動的屈曲変位に及ぼす負荷電場・分域壁移動の影響を解明した.また,たわみの制御可能性を考察し,最大たわみ・内部応力分布と傾斜組成との関連についても検討を加えた.(2)周辺固定傾斜機能圧電アクチュエータを対象に,三次元電気弾性解析を行い,曲げ挙動に及ぼす負荷電場・傾斜組成分布の影響を明らかにした.
|
