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2005 年度 実績報告書

細胞内構造システムの力学因子と生化学因子の相互作用による機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 17760078
研究機関京都大学

研究代表者

安達 泰治  京都大学, 工学研究科, 助教授 (40243323)

キーワード細胞バイオメカニクス / 細胞骨格 / 力学因子と生化学因子 / 機能発現 / アクチンフィラメント
研究概要

本研究では,細胞内力学構造システムのダイナミクスにおける力学因子と生化学因子の相互作用から生み出される動的なシステム構築の過程を明らかにするため,実験的検討およびタンパク分子動力学シミュレーションを用いた理論的検討の両面から検討を行った.
まず,in vitro実験において,細胞内アクチンファイバー構造の動的安定性に及ぼす変形や力などの力学因子について,定量的に実験を行った.移動性細胞であるケラトサイトのラメリポディア内のアクチンネットワーク構造に対して,量子ドットを用いた蛍光ラベリングを行い,移動中における逆行性流れを可視化することができた.さらに,得られた可視化画像に対して,画像相関法を適用することで,移動過程におけるアクチンネットワークの移動方向ひずみ増分の分布を定量的に評価することができた.その結果,移動方向に対して,負(圧縮)の増分ひずみが確認され,すなわち,ケラトサイトの移動過程において,ラメリポディア内においてアクチン骨格構造の予張力が解放され,それが,アクチンの脱重合と直接関連していること,すなわち,力学的因子と生化学因子との相互作用により,アクチンダイナミクスによる機能発現が調整されている可能性を示すことができた.
次に,この実験仮説を受けて,実際のアクチンフィラメント(タンパク)レベルにおける張力とタンパクコンフォメーション変化との関連を探るべく,分子動力学法を用いた検討を開始した.まず,単一,および,少数のアクチンモノマーから形成されるフィラメント構成要素に対して,引張負荷を与え,力と変形の関係を分子動力学で評価できることを確認した.さらに,1クロスオーバーを形成する14個のアクチンモノマーからなる巨大フィラメント構成要素を計算機内で構築し,その構造に対して,張力作用に伴う分子の揺らぎや内部工ネルギーの変化について評価し得ることを確認した.今後,さらにコフィリンタンパクの結合領域との関連について,さらに検討を加えることとなった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial and Temporal Regulation of Cancellous Bone Structure : Characterization of a Rate Equation of Trabecular Surface Remodeling2005

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Tsubota, Taiji Adachi
    • 雑誌名

      Medical Engineering & Physics 27-4

      ページ: 305-311

  • [雑誌論文] Quantitative evaluation of threshold fiber strain that induces reorganization of cytoskeletal actin fiber structure in osteoblastic cells2005

    • 著者名/発表者名
      Katsuya Sato, Taiji Adachs, Mamoru Matsuo, Yoshihiro, Tomita
    • 雑誌名

      Journal of Biomechanics 38-9

      ページ: 1895-1901

  • [雑誌論文] ナノスケールで表面形状を制御した材料上における細胞培養2005

    • 著者名/発表者名
      寺村聡, 富田直秀, 原田恭治, 闕上凱, 前北渉, 安達泰治, 鈴木基史
    • 雑誌名

      日本臨床バイオメカニクス学会 26

      ページ: 227-232

  • [図書] Computational Modeling of Tissue Surgery2005

    • 著者名/発表者名
      Taiji Adachi, Ken-ichi Tsubota(分担執筆)
    • 総ページ数
      273
    • 出版者
      WIT Press

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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