研究課題
本研究課題においては、高周波(数百kHz〜1MHz)の低振幅振動を工具刃先に付加する楕円振動切削技術を開発するとともに、焼結材料の延性モード加工の実現に挑戦する。本年度は、基礎的な振動系の設計・評価を目的として、百kHz以下の周波数で縦振動とたわみ振動を組み合わせて楕円振動を発生する振動工具の設計・試作、およびその制御システムの設計を行った。さらに、次世代のガラス成形用金型として期待されている金属焼結材料であるタングステン合金について、その基礎的な加工特性と延性モード加工メカニズムの評価を行った。以下に得られた成果および知見を示す。(1)有限要素解析を援用して、2次の縦振動と4次のたわみ振動についてそれぞれの振動モードの共振周波数と節の位置が一致する34kHzの振動子の形状について設計を行った。さらに、形状修正加工による各振動モードの共振周波数差の微調整方法を考案した。(2)上述の設計に基づいて振動子を試作し、さらに形状の微調整を繰り返すことにより、共振周波数と節の位置が大まかに一致する振動子を試作できることを確認した。さらに、試作した振動子を用いることにより、34kHzで所望の楕円振動を発生できることを確認した。(3)試作した振動子をオープンループ駆動し、金属材料の切削実験に適用した結果、所望の楕円振動軌跡で加工を行うことができ、通常の切削と比較して大幅に切削力が減少する効果を確認した。(4)試作した振動子の超音波楕円振動を高速制御する振動制御装置の設計を行った。この際、振動モデルを詳細に考慮した新しい干渉除去手法について考案を行った。(5)タングステン合金の加工実験を行い、その基礎的な加工メカニズムについて評価を行った。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
2006年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集 1・1
ページ: 1031-1032
Proceedings of the 2005 International Symposium on Micromechatronics and Human Science, pp.91-96,(2005) 1・1
ページ: 91-96
Annals of CIRP 54・1
型技術 20・15
ページ: 80-81
機械技術 53・12
2005年度砥粒加工学会学術講演会講演論文集 1・1
ページ: 201-202