研究概要 |
本研究課題は,電気粘性流体(ER流体)を用いた研磨加工に関する研究である.電場援用型の複合研磨手法として捉えることができる.特に片側パターン電極を用いた新規の研磨手法を開発することを目的としており,この点において従来の電場援用型研磨手法とは異なる.本研究で得られた結果は以下のとおりである. 1.高分子液晶系ER流体を研磨液として用いることにより,そのER効果を利用することによって研磨加工の加工効率制御が可能であることを確認した. 2.使用する片側電極のパターン形状によって,加工性能に変化があることを表面粗さ計およびAFM観察によって確認した. 3.片側パターン電極上でのER流体の粘度特性を評価し,そのER効果がパターン形状によって変化することが確認された.このER効果の変化が上記2の加工効率に影響していることが推測される.また,低分子液晶においてもパターン形状によるER効果が確認された. 4.ER流体と研磨砥粒の混合スラリーにおいても,上記3と同様のER効果を確認した. 5.上記3の原因を解明するため電場解析を行い,ER流体の配向方向が電場分布によって決定されると仮定した場合,パターン電極の形状によってその粘度特性が異なることが確認された. 6.ER流体の粘度変化モデルを構築し,数値解析的手法によってその正当性を評価した.適応範囲を限定すれば,本モデルを用いることによって流動特性の予測が可能であることが確認された.
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