研究課題
本研究課題では、研究代表者がこれまでの研究でターボ機械内部に発生するキャビテーション不安定現象を解析してきた水-空気系の計算コードを、極低温流体へと発展させる。それにより熱力学的効果が顕著とされる極低温作動流体系でのキャビテーション不安定現象の数値解析を行い、その発生メカニズム、流動特性などを解明し、水-空気系での発生条件との相違について定量的に明らかにすることを目的としている。研究初年度である本年度は、日本の液体ロケットエンジンHIIAの酸化剤として用いられている液体酸素に対して、本計算コードに直接適用できるようその物性値等の数学的モデリングを行った。具体的には、密度・温度・圧力、断熱音速、エンタルピ、低圧比熱等を、データベースから数値を求める方法ではなく、方程式として定式化した。さらにそのモデルを本計算コードに組み込み、簡単な流れ場でその検証計算を行った。流れ場は、以前の水-空気系での数値解析の検証計算に用いたClarkY11.7%翼形まわりの二次元キャビテーション流れである。検証計算より、極低温作動流体系へと拡張した計算コードの安定性に若干の問題が確認されたため、次年度更なる安定性向上を図る。一方、極低温キャビテーション流れとの比較のための水-空気系でのターボ機械内部流特性についての詳細なデータ取得を目的に、翼列内部に発生するキャビテーションの流動解析を更に進めた。特に、三枚周期翼列で発生するキャビテーション不安定現象の抑制を翼列形状の変更から行うことにより、キャビテーション不安定現象がキャビテーション周期現象の規則性によって引き起こされる現象であることを数値的に再現した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
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