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2005 年度 実績報告書

乱流中のスカラー輸送におけるシート状構造形成のメカニズムとその役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17760139
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

渡邊 威  名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30345946)

キーワード乱流 / パッシブスカラー / 大規模直接数値計算 / シート状構造
研究概要

本研究の目的は,高解像度直接数値計算(DNS)を実行し,乱流中のスカラー輸送の統計性と場の構造解析を通してシート状構造形成のメカニズムと普遍統計法則への影響・役割を明らかにし,輸送混合現象の基礎理論の構築を目指すものである.初年度は大規模並列DNSを実行して得られたデータから,スカラー輸送におけるシート状構造についてその構造形成過程の統計力学的な特徴付けに焦点をあてた解析を行った.得られた主な結果は以下の様にまとめられる.
1.スカラー場の間欠性に関してそのスケーリング構造を解析し,これがスカラー場の大スケールの詳細に依存する傾向がある事を示した.これは理論予測とは異なり,スカラー乱流の非普遍的な性質の可能性を示唆する重要な結果である.またスカラー散逸場を特徴づけるシート状構造が,この間欠的な揺らぎのスケーリング構造に密接に関連することを明らかにした.
2.大規模DNSデータを用いて,場のシート構造のレベルセットに対するマルチフラクタル解析を行い,場の幾何学構造と統計性質の関連性を議論した.スカラー場の強い間欠性に寄与する散逸場のシート状構造のフラクタル次元とスケーリング指数の関係を明らかにした.また散逸場の統計性質もまたスカラー場の大スケールの詳細に依存することを数値的に示した.
結果1.については今年度の日本物理学会秋季大会及び日本流体力学会年会において発表され,主要な結果を論文にまとめて現在"Phys.Fluids誌"に投稿中である.また結果2.については京大数理解析研研究集会において発表され,現在得られた結果について論文にまとめている段階である.結果1.について理論結果との差異を検証するため,現在さらに大きな解像度でDNSを進める準備を行っており,次年度はこれに向けた大規模並列計算を実行する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] パッシブスカラー乱流における間欠性とスケーリング2005

    • 著者名/発表者名
      渡邊 威, 後藤 俊幸
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録 1434

      ページ: 224-233

  • [雑誌論文] 一様な平均スカラー勾配下でのスカラー乱流輸送2005

    • 著者名/発表者名
      後藤 俊幸, 渡邊 威
    • 雑誌名

      日本流体力学会講演論文集 AM05-02-002

      ページ: 1-7

  • [雑誌論文] Statistics of transfer fluxes of the kinetic energy and scalar variance2005

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Gotoh, Takeshi Watanabe
    • 雑誌名

      Journal of Turbulence Vol.6, No33

      ページ: 1-18

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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