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2006 年度 実績報告書

乱流中のスカラー輸送におけるシート状構造形成のメカニズムとその役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17760139
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

渡邊 威  名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (30345946)

キーワード乱流 / パッシブスカラー / 大規模直接数値計算 / シート状構造
研究概要

本研究の目的は,格子点数2048^3を要した世界最大規模のスカラー輸送DNSを実行し,乱流中のスカラー場の統計性と場の構造解析を通してシート状構造形成のメカニズムと普遍統計法則への影響・役割を明らかにし,輸送混合現象の基礎理論の構築を目指すものである.今年度は初年度の結果を基礎にして,それをさらに発展させたDNSとデータ解析を行った.特にスカラー場の基本的な統計性質と散逸場の構造の詳細,及びDNSの計算精度がこれらの結果に与える影響を理論・数値的調べた.今年度に得られた主な結果は以下のようにまとめられる.
1.スカラー散逸場を特徴づけるシート状構造の形成過程を場の可視化とアニメーション製作を通して調べた.シート構造は複雑に折りたたまれた構造を有しており,エネルギー散逸場とは大きく異なる特徴を有することがわかった.またこれらの構造を統計的に特徴づけるために,スカラー場の構造関数を求め,そのスケーリング特性を調べた.結果,スケーリング指数はより低いレイノルズ数のそれとは若干異なる値を示す傾向があることが明らかになった.
2.散逸場の高次統計と特異構造はDNSの計算精度の詳細に大きく影響を受けることを定量的に明らかにした,また散逸場の解像度依存性をマルチフラクタルの観点から議論し,解像度依存性を示すスケーリング則を導出した.解像度問題を乱流モデルにおけるサブグリッドスケール(SGS)成分のグリッドスケール成分への影響とみなし,DNSデータよりSGS成分の影響を調べた.結果,それは慣性領域スケールでは無視できる程の寄与であることを示した.
これらの結果は,今年度の日本物理学会,IUTAMシンポジウム等において発表され,主要な結果をまとめた論文がPhys.Fluids誌(掲載済),IUTAMシンポジウムのproceedings(掲載予定)に発表された.また結果2.については現在主要な結果をまとめた論文をJ.Fluid Mech.誌に投稿中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Intermittency, field structure and accuracy of DNS in a passive scalar turbulence2006

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Watanabe, Toshiyuki Gotoh
    • 雑誌名

      Proceedings of IUTAM symposium on Elementary vortices and coherent structures : Significance in turbulence dynamics (Springer) 79

      ページ: 171-176

  • [雑誌論文] Intermittency in passive scalar turbulence under the uniform mean scalar gradient2006

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Watanabe, Toshiyuki Gotoh
    • 雑誌名

      Physics of Fluids 18

      ページ: 058105

  • [雑誌論文] 乱流のランジュバンモデル2006

    • 著者名/発表者名
      奥村 剛, 渡邊 威, 後藤 俊幸, Rubinstaion
    • 雑誌名

      第20回数値流体力学シンポジウム講演論文集

      ページ: A7-3: 1-6

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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