研究概要 |
平成17年度は矩形導波管を用いたマイクロ波加熱による透過波および反射波の制御による物体加熱の最適化を理論的・実験的に検討した。以下に検討事項を示す。 1.物体後面に完全反射板を設置した場合の透過波と反射波の干渉実験を行い,共振現象に及ぼす誘電物性および反射板の影響を示すとともに,物体内の温度分布をマイクロ波出力と関連づけて明らかにした。 2.反射板を加熱物体から離して設置し,共振現象に及ぼす反射波の位相変化の影響を実験的に明らかにした。 3.TE_<10>モードのマイクロ波加熱における透過波と反射波の干渉状態を反射板の設置位置と関連づけて解析的に明らかにし,同一強度のマイクロ波に対する最大加熱量に対する反射板の影響を理論的に明らかにした。 4.物体前面に補助物体を設置して透過波の位相を制御した場合の干渉実験を行い,共振現象に及ぼす誘電物性および補助物体の影響を示すとともに,物体内の温度分布をマイクロ波出力と関連づけて明らかにした。 5.透過波と反射波の制御を複合的に捉えることにより,最大加熱量に対する反射板および透過補助物体の影響を二次元TE_<10>モードのもとで理論的に明らかにした。 6.物体内の温度不均一に対し,部分反射板の設置による定在波の制御を行い,電磁波制御による物体内の温度分布の均一化を実験的に明らかにした。 7.マイクロ波加熱が困難な低加熱物体における加熱特性の高効率化を目指し,加熱補助として高加熱物体を付加した場合の有効性を,(1)マイクロ波干渉の制御と(2)熱伝導効果の両面から明らかにした。
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