研究概要 |
動的な構造変化を伴う機械システムのための制御手法の開発と生物型飛行ロボットの実現を目的として,本年度は以下の3点について研究を行った. 1.動的な構造変化を伴う機械システムとしての生物飛行ロボットのシミュレーションの実現 ワイヤを用いた可変構造翼機構と剛体リンクを用いた可変構造翼機構を考案し,羽ばたき軌跡を求めるシミュレーションを実現した.また,可変構造翼を持つ飛行ロボットの揚力・抗力を求めるシミュレーションの開発を試みた.これらを用いて,3において生物飛行ロボットの詳細設計を行った. 2.非線形サーボ制御手法の開発 前年度に開発した動的状態フィードバック制御手法とスイッチングファジィ制御手法の融合手法を用いて,任意の目標値に収束させることができる非線形サーボ制御手法の開発を行い,その有効性を確認した.レギュレータ制御からサーボ制御への拡張方法をさらにもう一段進めることによって,非線形追従制御手法の開発が可能であることを確認した. 3.可変翼機構を持つ生物飛行ロボットの開発 1において開発したシミュレーションを用いて,有効な羽ばたき軌跡を探索し,これに基づき剛体リンクを用いた可変構造翼を持つ生物飛行ロボットの試作機を製作した.試作機の揚力測定実験を行い,可変構造翼が従来の一枚翼に比べて,大きな揚力を得られることを確認した.また,羽ばたき飛行実験を行い,可変構造翼が,途中で失速することなく十分に飛行可能であることを確認した. 本研究における2年間の研究成果を以下にまとめる. ・動的に構造変化を伴う機械システムのためのモデル表現方法と制御手法を開発した. ・任意の目標値に収束させることができる非線形サーボ制御手法を開発した. ・可変構造翼を持つ羽ばたき飛行ロボットを試作し,飛行実験により飛行可能性を確認した.
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