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2005 年度 実績報告書

くねりロボット機構による雪氷環境移動システム

研究課題

研究課題/領域番号 17760195
研究機関北海道大学

研究代表者

原田 宏幸  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90301936)

キーワードロボティクス / 移動ロボット / 粒子シミュレーション / くねり運動 / 雪氷
研究概要

コンピュータシミュレーションによって,サブメートルないしメートルスケールの雪の力学的性質を表現するために,雪を粒子の集合体と仮定した手法を試みた.粒子間の力学的作用を,粒子の移動に対する抵抗力,およびバネを用いて表現し,それらの性質,および相互作用のカットオフ距離の最適化を目指した.これにより,これまでにいくつかの文献に発表されている実験値に近い雪の性質を表現することができた.ただし,雪の性質は温度や密度に依存して大きく変化するため,本シミュレーション手法の信頼性,正確性をどのように評価するかが大きな課題である.
開発したシミュレーション手法を用いて,ロボット機構の運動形態について検討を行った.ロボット機構を雪と同様に粒子の集合体として表し,積雪中を移動する様子をシミュレートした.運動形態としてサイン曲線,サーペノイド曲線,多関節ロボット型を適用し,移動の様子を観察した.その結果,いずれの場合でも運動モードの一周期につきその波長にほぼ一致する移動量が得られた.運動の安定度を見ると,サイン曲線,サーペノイド曲線ではほとんど差がなく,いずれも移動開始直後は安定するが,移動が進行するにつれ不安定となる傾向が認められた.また,体長が長くなると挙動が不安定になる傾向が認められた.多関節型はより安定した移動を行うが,移動と共に不安定になる傾向は同様であることがわかった.この原因は,身体をくねらせることによって,自分自身の周辺に空間が生じることによる支持点の消失であると考えられる.このことは波のように同一形状が連続する運動モードでは安定した推進が難しいことを示しており,空間形状にリアルタイムに適応するような運動形態の制御が今後必要であると考えられる.
実験モデルの作成については機械的な基本構造を構成したものの,制御および防水の面が未完成であり,実際に雪中での実験が可能な状態とはなっていない.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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