研究概要 |
従来,ロボットの制御はロータリエンコーダによる位置計測で行われることが多かった.高周波の振動は振幅が小さくても高速なため,人に知覚されてしまう.エンコーダは位置を計測するため,その分解能以下の振幅の振動は検出できない.また,加速度センサや力センサの計測周期は10kHz以下であり,より高い周波数の振動を検出することはできない.そこで,試作システムでは,モータの逆起電力を用いた速度計測を行う.この方式は,新たにセンサを付加することなく微小な振動を計測ができ,滑らかな制御を実現できる. 本年は,DCコアレスモータを,高速CPU,リニア駆動回路・高速A/D)コンバータを備えた独自の制御回路によって駆動し,高速に速度計測を行うことを試みた.この結果,モータの速度を高い周期で計測し,応答の良い制御を実現することができた.しかし,モータの温度によるモータの電気的特性(巻き線抵抗など)の変動が大きく,長時間使用した際の速度計測の精度に問題が生じた.この問題を解決するために,モータの温度を計測または推定し,温度とモータの特性の関係を同定する必要がある.
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