研究概要 |
本研究ではロボットが自在に柔軟物体を操作できるシステムの構築を木低としている.現在,ロボットで不定形物体を自在に操るのは容易ではない.その理由として変形と応力の関係にヒステリシスが含まれ正確なモデル化が困難であることが挙げられる.ゆえに不定形物体の操作を誤る可能性は否定できない,それゆえ不定形物体の操作にはエラーリカバリ動作が必要となる.エラーリカバリを実現するには現在の環境の状態が計画から離れていることを発見する異常検出と目標状態までの移行のためのタスクの再プランニングが必要となる.異常検出には作業の評価が必要であり現在の作業状態と目標としている作業状態の差を観測することが要求される.また,タスクの再プランニングには状態遷移図が有効である.このようなエラーリカバリシステムを考えたとき超多自由度の不定形物体の形状から抽象化された情報を取り出し利用する必要がある.本年度では,複雑な形状に変形するロープをハンドリングするために,ロープの形状をトポロジカルなモデルを用いて記述する方法を提案し,ブラケット多項式およびジョーンズ多項式の2つの結び目不変量を組み合わせて利用することにより,ロープの構造を判別するアルゴリズムを提案した.また,トポロジカルなモデルを取得するために必要な,交点付近の輝度分布の不偏分散を用いて交点におけるロープの重なりの上下判別を行うアルゴリズムを提案し,その有効性を確認した.次年度の目標としてはマルチモデルにより異常状態を検出するアルゴリズムを実現することである.
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