研究概要 |
初年度は,実験的手法により電気的・熱的測定による超伝導集合導体における交流損失評価手法の開発を目的として研究を行っている.Bi系線材を用い集合導体を作成し,集合導体における電気的・熱的測定による交流損失評価法の開発を行い両測定法による測定結果の妥当性を示した.また,集合導体の構成を変えることによる測定結果の定性的評価を行い集合導体の構成方法における交流損失低減のため,実験的アプローチから集合導体における交流損失の傾向を導いた.この実験において作業の効率化を図るため,GPIBインターフェースによる自動測定システムの開発を行い,熱的測定法による測定を自動的に行うことが可能となった.この結果,自動測定により電気的・熱的測定の高速かつ正確な測定を行い測定時間の短縮が可能となった.この装置を用い,撚りを施した超伝導集合導体中でこれを構成する超伝導素線を模擬した,線軸斜め方向から交流外部磁界を印加した条件における交流損失特性を評価した.また,超伝導集合導体中の交流損失を評価するため5本平面配置,およびケーブル形状の超伝導集合導体を構成し熱的測定法により測定を行った.数値解析では,電気的に集合導体中の交流損失を測定する方法に関してスパイラル電圧リードループと矩形電圧リードループを組み合わせた測定を行うため数値解析を行い,電気的測定法による測定と熱的測定法による測定結果がともに妥当であることを示した. 次年度の研究予定として超伝導集合導体を熱的に測定し,数値解析と組み合わせることにより電気的に非接触で測定する方法の開発を行う予定である.これと並行し超伝導集合導体の最適化設計のためのデータ収集を行い,数値解析を用い最適化設計のための手法の開発に取り組む予定である.
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