研究概要 |
本研究ではマトリクスコンバータ(以下,MC)などの電力変換システムにFPGAを導入し,変換電力の瞬時制御(以下,RT制御)による制御性能の向上およびモータドライブ(以下,MD)分野への適用と実用化を目指す。 FPGAはより高速な制御が実現でき,RT制御に適している。本研究ではこれまでに培ってきた電力変換器の制御技術を駆使し,以下の点を明らかにする。 ・MCでRT制御を実現し,変換電力の高品質化および高性能MDのための制御方式の開発 ・MD分野への適用を鑑み,上記制御方式によるコモンモードノイズ特性評価と対策法 本年度(〜平成18年3月)の研究実績 (1)マトリクスコンバータの試作 マトリクスコンバータは,インダクタンスおよびコンデンサの配置により,電流源入力形および電圧源入力形がある。後者は出力側にコンデンサを配置するため,これまでは電流形インバータと同様,モータドライブには不向きとされてきたが,新デバイスによる高速スイッチング動作およびリアルタイム制御によりこの問題は解消できる。本年度は,新デバイスの一つである逆阻止IGBTを入手し,両方のマトリクスコンバータを試作した。 (2)FPGAによる電力変換性能向上のためのリアルタイム制御アルゴリズムの構築 コンピュータシミュレーションによりマトリクスコンバータの電力変換性能向上のためのリアルタイム制御アルゴリズムを以下の手順で構築した。 ・マトリクスコンバータの基本的なPWMスイッチングパターンの導出と検証 ・リアルタイム制御による,入力波形歪みおよび出力波形歪みの両方を最小とする最適PWMスイッチングパターンの導出法の検討と検証 ・FPGA開発プログラムを用いたFPGAのゲートアレイ構成の検討
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