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2006 年度 実績報告書

不純物の空間分離ドーピングによるGaMnAs磁気特性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 17760258
研究機関早稲田大学

研究代表者

河原塚 篤  早稲田大学, 生命医療工学研究所, 講師 (40329082)

キーワード希薄磁性半導体 / GaMnAs / スピントロニクス / MBE / MEE / 空間分離ドーピング / キュリー温度
研究概要

GaMnAs希薄磁性半導体材料を用いたデバイスの実現には、室温以上の高いキュリー温度が必要となる。キュリー温度はホールと磁性原子Mnのスピンとの交換相互作用により決定され、これを上昇させるには高いホール濃度とMn濃度が必要である。しかしMnを高濃度でドープすると、格子間Mnの形成によるアクセプタの補償、MnAsの析出などの問題が生じる。そこで、δドープ構造を導入することにより、Mnドーピングの高濃度化をおこなうとともに、強磁性の発現機構の解明を試みた。Mnδドーピングにおける層間間隔の影響を調べるために、MEE法を用いて、層間間隔を0〜15MLの間で変化させた試料を成長した。δドープ層のMn濃度は7%であり、層の数はいずれの試料も100層である。したがって、成長層に含まれるMn原子の総数は等しいが、層間間隔が広い程単位体積あたりのMn原子数は減少する。SQUIDを用いて、10Kにおける磁化の磁場依存性を測定した。この結果、層間間隔を広くする程、保磁力が低下し、9ML以上では明確なループが見られなくなることが明らかになった。一方、飽和磁化は、層間間隔が広い程大きくなった。また磁化率の温度依存性からキュリー温度を評価したところ、層間間隔が広くなるにつれてキュリー温度が低くなることが明らかになった。これらの結果は、層間間隔が狭いほどMn原子間の距離が短くなり、Mn原子間の相互作用が大きくなることから強磁性の発現には有利であるが、層間間隔が狭くMn濃度が高い程、格子間Mnをはじめとする欠陥が形成されやすく、飽和磁化は減少することを示している。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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