研究概要 |
最終目的を達成するために掲げた年度当初の目標は以下の四つであった: 1.サブスレッショルドMOS回路によるピッチ波形複製回路の設計 2.ピッチ波形複製法に基づくパケット損失隠蔽法の品質改善、およびプロトタイプ端末へのチップ組み込みテスト 3.ピッチ波形複製回路のMOSデバイスの微細化に伴う量子効果の制御と抑制 4.サブミクロンMOSデバイスを用いたピッチ波形複製回路の実現検討) サブスレッショルドMOS回路によるピッチ波形複製回路の設計については、同期検出ニューロチップと多勝者競合ニューロチップの試作が完了した。それらを組み合わせたピッチ波形複製回路の詳細な評価にはまだ至っていないが、低消費電力なピッチ波形複製LSIを構成する十分な見通しを得た(主要成果:Tovar GM, Asai T., et al. "Precisely-timed synchronization among spiking neural circuits on analog VLSIs," in Proc. 2006 RISP International Workshop on Nonlinear Circuits amd Signal Processing)。 ピッチ波形複製法に基づくパケット損失隠蔽法の品質改善、およびプロトタイプ端末へのチップ組み込みテストについては、ピッチ波形複製法のパラメータ最適化が完了し、プロトタイプ端末への組み込みテストと動作確認も完了した。また、聴覚心理特性を利用したステガノフラフィ法については、現在もデータ収集・評価を行っており、次年度も引き続き検討を行う(主要成果:青木 直史,電子情報通信学会論文誌B, J88-B(5) 913-920,2005) ピッチ波形複製回路のMOSデバイスの微細化に伴う量子効果の制御と抑制、およびBDD量子集積デバイス・回路によるピッチ波形複製回路の実現検討については、BDD回路をピッチ波形複製LSIの補助ロジック回路として用いるためのアーキテクチャを考案した。MOSデバイスの微細化に伴う量子効果の制御と抑制については引き続き検討を行う(主要成果:葛西 誠也,浅井 哲也,et al.,応用物理学会春季大会,東京,2006)。 サブミクロンMOSデバイスを用いたピッチ波形複製回路の実現検討については、熱雑音を利用して情報処理を行うサブミクロンMOSデバイス向けアーキテクチャの開発に成功した(主要成果:Oya T.,Asai T.,et al.,Chaos, Solitons&Fractals,27(4)887-894,2006).
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