| 研究概要 |
本研究は半導体レーザ励起型光電気発振器による集積型短パルス光源の実現を目指すものである.本年度の研究では,発振回路の単一モード発振化の検討及び,光パルス信号の素源となるコム信号の発生に関する検討を行った.本年度は主に2つの成果を得た.以下にその要点を示す.
1点目は,共振変調電極構造型光電気発振器を提唱し高効率・高安定な単一モード光電気発振動作が実現できることを示した.発振器内で用いられる共振電極型光変調器は,変調電極に共振器構造を持った変調器である.共振時には,電極上に変調信号が定在し,電界振幅が増大するため,特定周波数での変調効率の改善が期待される.従来の光電気発振器構成においては,広帯威光変調器が用いられたため,多モード発振が避けられなかった.それに対し,本構成では,共振周波数以外での発振モードが,共振電極により抑圧されるため,単一モード発振が容易に実現される.また,変調効率の向上に伴い,発振同値の低電力化も期待できる.
一方2点目は,光位相変調器を用いた光電気発振器を提案し,自走発振・単一モード発振動作により光コム発生が実現できることを示した.位相変調器出力光に対し光ファイバグレーティングを用いて非対称フィルタリングを行うことにより,光電気発振動作を得るために必要な光強度変調成分を得る.10GHzで単一モード発振する帯威幅約100GHzの光周波数コム生成実験を行い,原理実証を行った.
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