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2007 年度 実績報告書

非線形予測子係数族による結合振動子系の時系列解析と実データへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 17760292
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

徳田 功  北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (00261389)

キーワード結合振動子 / 時系列解析 / 非線形力学 / 同期 / 位相方程式 / 合唱
研究概要

多数のリミットサイクル振動子が一様に大域結合したシステムに対して,各振動子の状態変化が時系列信号として同時計測される場合を想定した.この条件下で,システムを記述する位相方程式を時系列データから逆推定する手法を開発した.特に,各振動子の自然周波数や振動子間の結合関数など,システムの重要な特徴量が精度よく推定できることを、レスラー方程式の結合系のシミュレーションデータを用いて確かめた.また,得られた位相方程式によって同期領域の予測が可能であることを示した.化学振動子のデータ(バージニア大学非線形グループとの共同研究)に応用することによって,実システムに対しても,本開発手法が十分に適用できることを確認した.このように非侵襲的なアプローチで結合振動子系の特徴量が時系列のみから推定できるのは活気的なことであり,サーカディアンリズムなどの生物系への幅広い応用が今後期待される.
さらに,音楽への応用の一つとして,合唱における同期解析を行った.二名の歌唱者の合唱時におけるEGGデータを計測し,基本周波数の引き込み現象を調査した.同期の強さを表す特徴量としては,引き込み時間と周波数比を用いた.音楽大学にて声楽を専攻する学生と一般学生との比較実験を行ったところ,特に男性において,音大生が一般学生よりも強い引き込み能力を持つことが分かった.女性については男性ほど明確な差異はみられず,歌唱以外の音楽経験などの要因が重要であることが示唆された.合唱を起点として,オーケストラなどの総合音楽へと発展させることで,同期解析の応用範囲を今後さらに広げてゆくことが望まれる.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Ensemble Approach for Recovering Synchronization Diagram from Time Series2007

    • 著者名/発表者名
      I. Tokuda, U. Parlitz, J. Kurths
    • 雑誌名

      International Journal of Bifurcation and Chaos 17

      ページ: 3557-3563

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inferring Phase Equations from Multivariate Time Series2007

    • 著者名/発表者名
      I.T. Tokuda, S. Jain, I.Z. Kiss, J.L. Hudson
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 99

      ページ: 064101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparison of biomechanical modeling of register transitions and voice instabilities with excised larynx experiments2007

    • 著者名/発表者名
      I.T. Tokuda, J. Horacek, J.G. Svec, and H. Herzel
    • 雑誌名

      Journal of the Acoustical Society of America 122

      ページ: 519-531

    • 査読あり
  • [学会発表] 合唱における基本周波数の同期現象に関する基礎研究2008

    • 著者名/発表者名
      野田雄也, 徳田功, 榊原健一
    • 学会等名
      日本音響学会2008年春季研究発表会
    • 発表場所
      千葉工業大学
    • 年月日
      2008-03-18
  • [学会発表] Analysis of F0 entrainment of singing voices in chorus2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Noda, I. Tokuda, K.-I. Sakakibara
    • 学会等名
      International conference on nonlinear circuits and signal processing
    • 発表場所
      Gold Coast, Australia
    • 年月日
      2008-03-07
  • [学会発表] 多次元時系列データからの位相方程式の推定2007

    • 著者名/発表者名
      徳田功
    • 学会等名
      電子情報通信学会非線形問題研究会
    • 発表場所
      福井工業大学
    • 年月日
      2007-12-19
  • [学会発表] Estimating Phase Equations from Multivariate Time Series2007

    • 著者名/発表者名
      I.T. Tokuda, S. Jain, I.Z. Kiss, J.L. Hudson
    • 学会等名
      3rd International IEEE Conference on Physics and Control
    • 発表場所
      Potsdam
    • 年月日
      2007-09-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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