研究概要 |
本年度は,昨年度行ってきた「回転を許す視覚復号型秘密分散法」に関する論文(2006年5月),本研究の理論的背景である、「整数計画法による秘密分散法の効率のよい構成法」に関する論文(2007年1月)が出版された.前者に関しては国際ワークショップでの発表も行った(Asia-Europe workshop on information theory, AEW5,Jeju, Korea,-Oct.,2006).また,電子情報通信学会ソサイエティ大会(金沢大学,2006年9月)において,「秘密分散法に対する符号化定理」というタイトルでチュートリアル講演を行った(招待). 現在進行中の研究としては,ブロードキャスト通信路を用いた秘密分散法の構成が挙げられる.このタイプの秘密分散法はこれまでの秘密分散法の拡張と考えられるが,ある種のhash familyなどとも密接な関係があり,秘密分散法の新しい側面を明らかにする可能性があると考えている.今後は,本研究の主眼のひとつであるランプ型秘密分散法への拡張,安全性評価などを中心に,さらなる理論的な解析を行いたいと考えている. また,秘密分散法以外に,「情報理論的に安全なランプ型動的鍵配送方式」に関する研究を行った.研究を行う上で,昨年度(2006年1月)に論文となった「一般アクセス構造に対する強い秘密保護特性を持つランプ型秘密分散法」での符号化技術が非常に重要な役割を果たした.その意味で,この研究も本研究から生じた成果と考えている.
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