研究課題
今期は、2元低密度行列アンサンブルに関するシンドロームエントロピーの評価、ならびに低密度行列を用いた誤り検出方式の性能解析に関する理論的導出を行った。低密度行列アンサンブルのシンドロームエントロピーはそのアンサンブルに属する行列の最尤復号性能の評価に重要な量である。本研究では、組み合わせ的手法を利用することにより、いくつかのアンサンブルにおいて、シンドロームエントロピーの上界と下界の導出に成功している。この結果について、情報理論分野の国際会議であるInternational Symposium on Information Theoryにおいて発表を行っている。また、上記の研究と平行して、低密度行列を用いた誤り検出方式の性能解析に関する研究も行った。誤り指数を通して平均見逃し誤り率の漸近的な振る舞いを明らかにするとともに、見逃し誤り率の分散に関する公式を導いた。さらに副産物として、いくつかのアンサンブルにおいて重み分布の共分散公式が得られている。この成果は、ITA workshop(UCSD)(2007年2月)において発表を行っている。また、共分散公式については、2007年5月に電子情報通信学会情報理論研究会において発表予定である。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
IEEE Transactions on Information Theory vol. 52, no. 11
ページ: 4856-4866