研究概要 |
本研究では,申請者がこれまで提案した実時間ヘテロダイン干渉撮像システムの応用展開を広げるとともに,非可干渉光にも適用し,高速・高波長分解能の画像センシングシステムを実現することを目的とする.可干渉光,非可干渉光いずれについてもパターン復調原理は共通であり,ともに時間相関イメージセンサを用いて干渉波形の振幅・位相を実時間で画像として復調することが最大の特色である.本年度の成果は以下の通りである. ○位相スタンプ型レンジファインダの提案と実時間距離画像計測の実現 レーザシート照明を用いた三次元計測において,時間相関イメージセンサ(CIS)および三相正弦波参照信号を用いることにより,実時間で距離画像計測を行うシステムを提案した.この計測系では,シート照明を連続走査しつつCISにより三次元対象物体を撮像すると,各画素にはレーザシート照明が観測された時刻の参照信号の位相がスタンプされる.スタンプされた位相はレーザシート照明の走査角と1対1に対応している.したがって,CISの毎フレーム出力画像からスタンプ位相を復調し走査角に変換することにより,各画素で観測される対象物体までの距離がフレームレートで計測できる.この理論に基づき,レーザダイオード,ガルバノスキャナ,円筒レンズ,200×200画素三相CIS,PC,D/Aボードを用いて計測システムを試作し,フレームレートでの距離画像生成を実現した.また,実用化に向けてばらつき誤差を改善する必要があることが分かった.
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