近年、リスク回避や経済性の観点より人工衛星の小型化の需要が高まっている。このためには姿勢制御用アクチュエータの小型化が不可欠であり、本研究では、磁気トルカのみを用いた姿勢制御系の開発を目的とした基礎研究を行った。 前年度までに、一軸まわりでの姿勢制御系に特化した制御則の提案を行った。また、三軸まわりの姿勢制御系へ拡張するために、従来研究での可制御性・可観測性・最適制御に関する理論を適用することを検討した。所が、従来研究に誤りがあることが明らかとなり、反例の提示や可安定となるための条件の解析を行った。 本年度は、引き続き、可安定性の解析とその解析に用いられる正準分解の理論について精査した。正準分解の理論に関しては完全な解が得られ、制御対象と同じ周期の正準分解が得られるための必要十分条件を導出した。また、制御対象の倍の周期をもつ正準分解ならば必ず存在するという結果も得られた。
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