研究課題
【目的】本研究の目的は、「内視鏡手術における内視鏡カメラ操作のロボットによる完全自動化(自律型内視鏡位置決めロボットの開発)」である。この目的を実現するため、本研究では、術者と内視鏡位置決めロボットを一体化した1つのハンドアイシステムととらえ、視覚サーボの観点から内視鏡位置決め問題を考えた。【概要】第1年次は、「小型軽量内視鏡マニピュレータ(自律型内視鏡位置決めロボットシステムのハードウェア部分)」の開発を行った。本年度(第2年次)は、前年度の成果をベースに、本研究の根幹である「作業領域の術前プランニング導入による術中の内視鏡自動位置決めシステム(同ソフトウェア部分)」の開発を重点的に行い、豚の臓器を用いた多数の模擬手術実験により、提案システムの有効性を総合的に評価した。【方法】術中の内視鏡の位置と画像の拡大率は、術者が手術直前に作業の対象となる場所を手術器具先端でポインティングし、同時に、その場所で作業を行うのに最適な画像の拡大率(作業場所から内視鏡先端までの距離)を決定してPCに記憶させる術前プランニングを行うことで決定される。手術開始後は、手術器具先端が内視鏡画像の中心になるようにロボットが手術器具の3次元追跡を行う。手術器具先端が術前プランニングで決定した作業領域に位置した場合、システムは、術前プランニング結果に基づいて内視鏡画像の倍率を自動で調節する。【結果】3名の内視鏡外科医を被験者として、計7回の模擬手術(豚の臓器を用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術)を本システムによる内視鏡操作の元で実施した結果、すべての手術を術者1人(ソロサージェリー)で完遂することが出来た。熟練した人間のカメラ助手が内視鏡を操作する場合と提案システムを使用する場合における手術時間を同じ条件下で比較した結果、有意な差はみられず、本研究の目的(内視鏡カメラ操作のロボットによる完全自動化)が達成できた。
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生体医工学 45巻1号(印刷中)
MICCAI 2006 Workshop Proceedings, Workshop on Medical Robotics : Systems and Technology towards Open Architecture, 5 October 2006, Copenhagen, Denmark
ページ: 82-91
日本コンピュータ外科学会誌 8巻3号
ページ: 06 (I)-008
日本機械学会ロポティクス・メカトロニクス講演会2006講演論文集
ページ: 2A1-A02
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