研究概要 |
階段形状の反射ターゲットを用いた変位計測法に関して実験的研究を行った結果,以下の項目が明らかとなった. 1.レーザー変位計の安定性評価と階段形状の関係 レーザー変位計は,距離に比例してスポット径が広がるため,反射強度を大きくするためには階段幅を大きくする必要がある.しかし階段幅が大きくなるにつれ,測定値の線形性が失われてくるため,ある閾値を設定して距離と階段幅の関係をキャリブレーションした. その結果,誤差1mmを確保するためには,4mから8mまでの計測距離に対して,幅5mm程度の階段幅が適当であることが明らかとなった.また屋外で測定を行う場合,日光による外乱の影響が大きくなり,1.5mm程度まで誤差が増加することが明らかとなった.また,温度変化による屈折率変化の影響で,5分間に1mm度のドリフトが生じることがわかった.よって動的測定を行う場合には,随時ゼロ調整を行う補償機能を付加する必要があることなどが明らかとなった. 2.レーザー入射角と変位出力値の校正係数 本研究で提案する変位計測法は,レーザーのパルス波到達時間を基本とするため,反射面の角度が変化することで,測定に誤差を与えることが明らかとなった.そのため,レーザーの入射角を用いた変位出力値の校正値を実験的に検討した.その結果,角度と距離をパラメータとすることで,適切な校正値が設定できることが明らかとなった.しかし,入射角が10度以上異なる場合,測定範囲が極端に小さくなり,実質上測定が不可能となるため,角度のずれを10度以下にする必要があることが明らかとなった.
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