研究課題
非破壊検査において、非接触計測が可能であるレーザ超音波非破壊検査が着目されており、高所や高温、高濃度放射能の危険箇所での適用が期待されている。レーザ超音波非破壊試験では、パルスレーザを用いて対象物に超音波を励起させ、内部欠陥等からの散乱波をレーザ干渉計を用いて計測する。しかし、レーザ超音波計測データを用いた定量的な非破壊評価技術は、あまり発展していないのが現状である。そこで、レーザ超音波計測による波形データを用いた定量的非破壊評価を提案した。手順は以下の通りである。まず対象物の健全部でレーザ超音波計測を行い、得られた波形データからレーザ励起された弾性波動場を逆解析により決定する。次に対象物健全部の計測と同等の計測条件下で対象物損傷部においてレーザ超音波計測を行う。逆解析によって求められレーザ励起弾性波動場を境界条件とした初期値境界値問題を、形状パラメータで表現された散乱体の存在する領域(損傷部)において解き、散乱波動場を数値的に復元する。数値解と損傷部で計測された波形データとを比較し、内部散乱体の形状パラメータを決定する。レーザ超音波計測で得られた速度波形データを用いた逆解析を行いレーザ励起弾性演動場を復元した。復元された弾性波動場における表面クラックによる散乱波動場を時間域BIEMを用いて数値的に求めた。時間域BIEMによる数値解は、高い精度で散乱波動場を表現できている事が確認できた。また、表面クラックの位置を決定するクラック決定問題を解いき、十分な精度で表面クラックの位置が決憲できた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
土木学会応用力学論文集 Vol.9
ページ: 123-128
Structual Engineering/Earthquake Engineering Vol.23,No.2
ページ: 279-285