研究概要 |
本年度はまず始めに正方形角柱の配置間隔L/Dを,昨年度実施していないL/D=3,5として実験を行った.その結果,L/D=3の場合はL/D=2と同様,角柱間を通り過ぎる流れが生じることなく,2つの角柱があたかも一体化しているかのような流れが生じることがわかった.L/D=5の場合は,L/D=4と同様,角柱間を通り過ぎる流れが生じることが確認された.また,上流側角柱からは明確な渦放出が生じ,それが下流側角柱に衝突することで,L/D=2,3とは周辺の流れと角柱の表面圧力が大きく異なる結果となった.以上の結果より,L/D=3,4の間で流れパターンが大きく変化していることが確認された. また,角柱辺長と風路幅の比,閉塞率が15%と大きいため,流れ場に対し何らかの影響を及ぼしていることが予想されたため,角柱辺長を半分とした模型を用いて閉塞率を7.5%とした状態で実験を行い,閉塞率の影響を検討した.L/D=2の場合は,閉塞率が低下したことで周辺の風速が低下したが,表面圧力に対しては大きな変化が見られなかった.L/D=4の場合は周辺風速には変化が見られなかったが,特に下流側角柱背面の平均圧力の絶対値が低下した.これは,閉塞率が高い場合,下流側角柱から剥離した流れが,風路壁に阻害され,角柱により近い位置で巻き込むようになっていると推測される.ここに閉塞率の影響が見て取れた.ただし,L/D=2,4とも角柱問においては流れパターンにも表面圧力にも大きな変化が見られなかった. 更に,本年度は圧力測定時の測定チューブの影響を除去する機器を購入し,より正確なデータ取得が可能となった. また表面圧力と周辺風速の詳細なデータが取得できたことから,現在新たな乱流モデルの開発に必要なデータを抽出する作業を行っている. 以上の結果を来年度の風工学会年次研究発表会において発表することを予定している.
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