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2006 年度 実績報告書

長期にわたる不可逆変動としての広域地盤沈下の数値シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 17760389
研究機関独立行政法人港湾空港技術研究所

研究代表者

金田 一広  独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 研究官 (30314040)

キーワード地盤沈下 / 弾塑性構成式 / 水〜土連成解析 / 骨格構造 / 地下水位低下 / 有限要素法 / 季節変動
研究概要

地下水揚水に起因する広域地盤沈下は日本のみならず世界の低平地で起こっている災害である。さらにこの地盤変動は不可逆であり、一度地下水位を低下させると、もとの地盤には戻らないことが知られている。
近年では構成式の高度化が進み、地盤の骨格構造の記述が可能になっている。代表的なものは名古屋大学地盤力学研究室が開発したSYSカムクレイモデル(回転硬化上・下負荷面修正カムクレイモデル)であり、土骨格構造(構造・過圧密・異方性)の変化を記述している。すなわち、高位な構造にみられる限界状態線より下側での塑性圧縮を伴う軟化、さらに、過圧密粘土にみられる限界状態線より上側での塑性膨張を伴う硬化挙動などをシミュレートできている。加えて数値計算の高精度化が進み、これら構成式研究と水〜土連成有限変形解析とあわせて、長期圧密沈下挙動のシミュレーションが可能となっている。本研究は、このモデルを用いて、地下水位低下に起因する骨格構造の劣化を考慮した地盤沈下の計算を行った。
本年度は季節変動などによる地下水位変動が地盤に及ぼす影響について検討した。地下水位履歴を受けた地盤が地下水位規制などによって地下水位が回復したとしても、季節変動などによって地下水位が繰返し変動するような場合は、骨格構造の劣化を引き起こし、地下水位履歴のない地盤に比べて沈下が継続して起こる可能性があることを示した。この傾向は、骨格構造が発達した自然堆積粘土地盤に多く見られる。
2年間の研究を通して、自然堆積地盤に、地下水位を低下させ地盤を乱してしまうと新たな荷重(上載荷重や地下水位変動)に対して脆弱になっていることを示した。今後はさらに事例解析などに取り組む予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 地下水位低下によって地盤沈下した地盤に関する一考察2006

    • 著者名/発表者名
      金田一広, 浅岡顕, 山崎浩之
    • 雑誌名

      土木学会年次学術講演会 (CD-ROM)

      ページ: 3-271

  • [雑誌論文] Numerical simulations of low widespread subsidence due to dewatering using soil-water coupled analysis2006

    • 著者名/発表者名
      Kaneda, Kazuhiro, Asaoka Akira
    • 雑誌名

      PLASTICITY 2006, Halifax, Canada.

  • [雑誌論文] 繰返し三軸試験による細粒分混じり砂の液状化に関する一考察2006

    • 著者名/発表者名
      金田一広, 山崎浩之, 永野賢次
    • 雑誌名

      第41回地盤工学研究発表会 (CD-ROM)

      ページ: D-07

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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