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2005 年度 実績報告書

砕波に伴う渦を考慮した海底砂の浮遊機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17760410
研究機関金沢工業大学

研究代表者

鷲見 浩一  金沢工業大学, 環境・建築学部, 助教授 (10314048)

キーワード浮遊砂の移動速度 / 砕波 / 気液2相流 / 固液2相流 / 移動床実験 / MAR法 / 可視化水理実験
研究概要

平成17年度は,MARS法を自由表面の解法としたk-ε乱流モデルによる気液2相流の数値計算により,気相と波内部の流速と渦度の分布を算定した.同時に,砂粒を追跡粒子としたPIV法による移動床実験を実施して,砕波形式の相違による砂の浮遊形態と移動速度を詳細に把握した.これらの研究より得られた成果を以下に示す.
(1)砂の移動速度と波内部の速度場,および海底形状を関連づけて考察することにより,砂の移動速度の時空間分布特性が明かとなった.すなわち,先行波により浮遊した砂は,戻り流れと同方向に移流する.バーの沖側域では,砂は水粒子よりも大きい速度で沖側の斜め下方向に移動する.そして,波が伝播し岸向きの流れが強まると,砂が水粒子速度よりも速く斜め下方向に移動する領域は,岸方向にバー近傍域まで縮小する.その後,入射波が砕波点に接近すると,バー沖側では水平方向の流れが,バーの影響により流向を岸側斜め上方に変化させる.この約40cm/sの斜め上方向の流れにより,バーの沖側上端部では新たに砂が約20cm/sで浮遊する.さらに,新たに浮遊した砂は,先行波により浮遊した砂と合一する.砕波後,浮遊砂は波内部の流れと同方向に沈降する.(2)固液2相流における浮遊砂の移動速度は,波動運動に伴う水粒子速度と比較すると,その大きさが砂の移動方向によって,異なることが判明した.すなわち,戻り流れと同方向の砂の移動速度は,同領域の水粒子速度と比較して大きい.これは,Trajectory biasingによる沈降速度の増加,および砂の沈降しようとする下向き流速と斜め下方向の戻り流れが強めあうためであると推察できる,一方,斜め上方向の砂の移動速度は,同領域の水粒子速度と比較して小さい.これは,波動運動に伴う斜め上方向の流速と砂が沈降しようとする下向きの流れが弱めあうためであると考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 砕波による水中圧力の時空間分布に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      鷲見 浩一
    • 雑誌名

      土木学会,海洋開発論文集 21

      ページ: 319-324

  • [雑誌論文] 砕波に伴う海底砂の浮遊現象と移動過程に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      鷲見 浩一
    • 雑誌名

      土木学会,海洋開発論文集 21

      ページ: 403-408

  • [雑誌論文] 気液混相流場での砕波に伴う速度場と圧力場の時空間変動に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      鷲見 浩一
    • 雑誌名

      土木学会,海岸工学論文集 52

      ページ: 86-90

  • [雑誌論文] 砕波形式の相違による浮遊砂の移動速度に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      鷲見 浩一
    • 雑誌名

      土木学会,海岸工学論文集 52

      ページ: 111-115

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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