研究概要 |
これまでの価値観およびライフスタイルについてのレビューに基づき,日本人の価値観調査の項目および環境省のライフスタイル調査の項目と整合性を持った調査票を設計した.また,これまで研究室で蓄積してきた生活行動調査の結果を参考に,自動車利用と生活に着目した行動調査をあわせて行った.特に今回は,調査票をウェブテクノロジーを使って,携帯電話でのアクセスや,PCを用いたアクセスを可能にしたインタラクティブ調査の開発を行った.生活行動調査はライフスタイルと生活行動の関係を見るために,9日間の調査を行った.また,インタラクティブ調査が本来的に持つバイアスを見るために,従来型の紙に記入する形の調査も合わせて行った. また,政策提言のために,情報提供などが行動や価値観に与える影響を分析するため,本調査はパネル型の調査とした.つまり最初に9日間の調査を行ったうえで,続いて,環境情報や生活によるエネルギー消費量やそれに伴う二酸化炭素排出の量をフィードバックし,その後に再び価値観および生活行動調査を行った.情報はインタラクティブ調査対象者にはメールを中心として配信し,紙調査の被験者には紙に書いた情報を提供した.また,情報提供内容を意図的に変化して,政策の効果を測定した. これらの結果を用いて,ライフスタイルの抽出を目的としたクラスター分析および,その区分と行動変化(政策効果)の関係性を分析しているが,現在のところ,価値観やライフスタイルと行動変化についての明確な知見は得られていない.
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