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2005 年度 実績報告書

ヨシ刈りがヨシの土壌好気化機能および湿地の水質浄化機能に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 17760438
研究機関埼玉大学

研究代表者

湯谷 賢太郎  埼玉大学, 工学部, 助手 (00344953)

キーワードヨシ / 湿地 / 刈り取り / 水質浄化 / 酸素漏出
研究概要

本年度は(1)「ヨシ茎の通気抵抗特性に関する実験的研究」,および(2)「枯死茎状態の違いによる根からの酸素漏出量の違いに関する実験的研究」において新たな知見を得た。
(1)のヨシ茎の通気抵抗特性に関する実験的研究に関しては,ヨシが通気する際に重要となる枯死茎の通気抵抗に関して水理学的検討を行った。枯死茎の通気抵抗は主にその節によるところが大きく,その物理的性質はベルヌーイの定理を適応することにより,表現可能であることが分かった。その結果,従来,観測により提案されていた,生きている葉茎の根元の圧力と大気との圧力差と茎内流量との関係式(茎内部と大気との圧力差が,通気量に比例するとした関係式)が理論的に正しくないことを示し,新たな理論式(通気量は節数に反比例し,圧力差の根に比例する)を提案した。本結果は,将来的にヨシ光合成蒸散量から通気量を予測する際に重要な知見のひとつとなりうる。
(2)の枯死茎状態の違いによる根からの酸素漏出量の違いに関する実験的研究に関しては,野外では有意な結果が得られなかったが,室内実験において非常に注目に値する結果を得た。室内において,三角フラスコにヨシ根茎部と実験用溶液を入れ,根から漏れ出す酸素量の測定を行ったところ,枯死茎が通気しやすい状態であるほうが,根から漏れ出す酸素量も多いという結果を得た。このことは,浄化用湿地や自然のヨシ原において,枯死茎の刈り取りを行えば,根からの酸素漏出量を増加させられる可能性を示しており,それに伴って,湿地の環境浄化能力を向上させることが可能であることを示している。本結果は,浄化用湿地の植生管理方法に関して,重要な知見となるものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 異なる光量下における枯死茎の有無がヨシの根からの酸素漏出量に与える影響2006

    • 著者名/発表者名
      湯谷 賢太郎, 田中 規夫, Thidar AYE, KBSN JINADASA
    • 雑誌名

      第40回日本水環境学会年会講演集 40

      ページ: 209

  • [雑誌論文] ベンチュリー効果によるヨシ枯死茎の酸素輸送量の定量化2006

    • 著者名/発表者名
      山内 孝太, 湯谷 賢太郎, 田中 規夫
    • 雑誌名

      第40回日本水環境学会年会講演集 40

      ページ: 208

  • [雑誌論文] Improving nitrogen removal by carbon substrate amendment in vegetated tank with vertical flow system2006

    • 著者名/発表者名
      A.K.KARUNARATHNA, N.TANAKA, K.B.S.N JINADASA, K.YUTANI
    • 雑誌名

      第40回日本水環境学会年会講演集 40

      ページ: 198

  • [雑誌論文] A Trial to Calculate the Nitrogen Removal Efficiency with One Dimensional Nitrogen Budget Model on the Reed-Wetland Soil System2005

    • 著者名/発表者名
      Yutani, Kentaro, Tanaka, Norio
    • 雑誌名

      Abstracts of WRRS2005

      ページ: 157-158

  • [雑誌論文] A Trial to Calculate the Nitrogen Removal Efficiency with One Dimensional Nitrogen Budget Model on the Reed-Wetland Soil System2005

    • 著者名/発表者名
      K.Yutani, N.Tanaka
    • 雑誌名

      Full Manuscript CD of WRRS2005

      ページ: 6

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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