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2005 年度 実績報告書

膜分離活性汚泥法における膜ファウリングに関与する微生物群集構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17760440
研究機関広島大学

研究代表者

金田一 智規  広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (10379901)

キーワード膜分離活性汚泥法 / FISH法 / 微生物群集構造 / 膜ファウリング
研究概要

本年度は実際の下水処理場における微生物群集構造を解析する目的で以下のとおり実施した。
まず、分子生物学的手法の一つであるFISH(Fluorescence In Situ Hybridization)法を実排水処理過程に適用し、実際に処理を担っていると考えられる細菌の検出法を確立した。FISH法を用いて、全細菌と解析対象とする細菌を2種類の蛍光色素によって染め分け、顕微鏡の同一視野における各蛍光面積から対象とする細菌の構成比を求めた。
次に、FISH法により得られる構成比と水質測定結果から実排水処理施設における年間を通した処理性の変化とを比較することで、実際に処理を担っていると考えられる細菌種を特定した。以下に本年度で得られた主な成果を示す。
(1)水質測定の結果から、流入水温が低下する冬季に放流水中の溶存有機炭素濃度(DOC)が上昇する傾向がみられた。これは微生物の活性の変化などに伴う処理効率の変化や微生物の代謝経路の変化、または流入水水質の変化などが考えられる。栄養塩類の濃度に関しては季節的な変動は確認されなかった。
(2)下水処理場の曝気槽において夏から冬にかけてBetaproteobacteriaとGammaproteobacteriaの減少とAlphaproteobacteriaの増加が見られた。これらの細菌種の構成比の季節変化と水質の季節変化を比較した結果、BataproteobacteriaとGammaproteobacteriaが難分解性物質の増加に関与していることが示唆された。
(3)冬季に下水処理場の最終沈殿池において脱窒浮上(汚泥中の細菌の脱窒作用によって生じた窒素ガスを含む汚泥フロックが浮上する現象)が生じた。この時、浮上汚泥中にAlphaproteobacteriaが多数確認されたことから、脱窒浮上の発生に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 下水処理過程における浮上汚泥の微生物群集構造解析2006

    • 著者名/発表者名
      梶原寛司
    • 雑誌名

      第40回日本水環境学会年会講演集

      ページ: 514

  • [雑誌論文] 実排水処理施設におけるFISH法を用いた細菌相解析2005

    • 著者名/発表者名
      梶原寛司
    • 雑誌名

      第57回土木学会中国支部研究発表会発表概要集 VII-34

      ページ: 615-616

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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