研究課題
染色廃水の排出量は膨大であり、産業廃水排出量の中でも高い割合を占めている。染色廃水は年間を通して水温30〜40℃、BOD濃度500mg/L程度で排出され、かつ特有の廃水性状としては800mgS/L程度の高濃度硫酸塩を含有していること、黒や紺色などに着色していること、染料成分が難分解性であること、等が挙げられる。現在の染色廃水処理は、凝集沈殿活性汚泥法により行われているが、この廃水処理プロセスでは、エアレーションによる電気エネルギーの大量消費、多量の余剰汚泥排出、多量の凝集沈澱剤等薬品の消費、等の問題がある。前年度までの研究において、硫黄還元型のUASB反応器とDHS反応器によるシステムを考案・設置し、染色工場より排出される糊抜き精錬漂白廃水(排出量230m^3/d)及び染色工程廃水(排出量700m^3/d)の混合廃水を対象に当該システムに実染色廃水を通水した連続処理実験を行い、その適用性を評価した。染色排水に対して以下のように優れた有機性処理性能を示し、排水基準を達成した。(HRT18時間、UASB水温25〜30℃の条件下で、最終処理水質は、BOD10±5mg/L、COD_<Mn> 110±10mg/L、SS10±5mg/Lに達した)。着色度除去に関しては、原廃水着色度の約50%の除去が得られ、更に凝集沈殿法にて脱色を試みると着色度300度程度、除去率で95%程度が得られ、試算の結果十分に経済的にシステムの有効性が確認され、実現化に一歩近づいた。
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第41回日本水環境学会年会講演集
ページ: 326
Proceedings of the 21^<st> Century COE Program, Global Renaissance by Green Energy Revolution. The 7^<th> International Symposium.
ページ: 171
第4回全国高専テクノフォーラム講演集
ページ: 71
平成18年度土木学会全国大会(VII-043)立命館大学(2006. 9. 21)発表 (CD-ROM)
平成18年度土木学会全国大会(VII-042)立命館大学(2006. 9.21)発表 (CD-ROM)