研究概要 |
これまでにPCaPC造の接合部に関する研究はいくらか行われてきたが接合部せん断破壊型の研究はほとんど行われておらず,特に立体架構の2方向加力実験は皆無である.そこで,本実験は試験体形状を変数とした接合部破壊型スラブなしPCaPC造立体柱梁接合部試験体に水平2方向交番載荷実験を行い,接合部せん断破壊型立体架構の接合部せん断耐力,および接合部のせん断強度の2軸相関について検討することを主目的とする.また,同様に実験データのない梁曲げ破壊先行型の立体架構試験体について実験を行い接合部破壊型との比較も行う.さらにそれぞれに付随した平面試験体についても実験を行い,実験結果と比較した. 立体試験体は1サイクルで従方向にも動かす為に接合部部分は著しい破壊がみられた.梁のひび割れはプレストレス導入の効果と柱コンクリートに先に大きくひび割れが入ってしまうことからそれほど多く見られなかった.梁曲げ先行型の試験体でも他の試験体と比較しても大きな差は見られなかった.4方あるいは3方から梁の接続する立体柱梁接合部がせん断破壊することが確認された. 立体架構と平面架構の層せん断力を比較した場合,両方向に直交梁が付いた場合25%,片側に付いた場合に13%の耐力上昇が見られた.立体架構における二軸せん断力下の層せん断力は矩形相関曲線の外側に位置しており,各構面の応力に対して各々個別に設計することで,任意方向のせん断力に対して接合部の設計できることを確認した. 直行梁の効果は接合部パネルの縦横方向ひずみ,また接合部補強筋のひずみからも大きいことが認められた.
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