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鉄筋コンクリート造柱・梁接合部の補修・補強に関する既往の文献を国内外に渡って調査した。柱・梁接合部に対する補修・補強方法の現状を把握すると共に、既往の知見の問題点を整理した。既往の文献調査結果をもとに補修・補強された鉄筋コンクリート造平面内柱・梁接合部試験体を作製した。試験体は補修・補強が容易となるように柱幅と梁幅とを一致させた。試験体の外形及び配筋状態は全試験体で同一とし、補修・補強方法を変動因子とした。1体は正負交番加力後にひび割れ及び被りコンクリート剥落をエポキシ樹脂及びモルタルで補修した。これは地震被害を受けた建物の補修・補強に対応している。補修方法による耐力の復元状態を把握するとともに、接合部内の応力伝達機構の変化を明らかにした。2体は加力前に接合部パネルまたは接合部周りを炭素繊維シートで補強した後に正負交番載荷した。この2体は耐力の不足した既存建物に対する補強に対応している。接合部パネル内に炭素繊維シートを貼付した試験体では、補強しなかった試験体の結果と比較することで補強効果を定量的に把握した。また破壊形式の変化が起こった原因を明らかにした。接合部周り(梁付け根部分)を補強した試験体では、接合部に入力される応力の変化を測定データから定量的に明らかにした。また接合部パネルを補強した場合と比較して、破壊経過及び破壊形式の変化を詳細に調査した。以上の試験体3体の結果をもとに、平面内柱・梁接合部の補修・補強の効果及び接合部入力せん断力と層せん断力との関係を明らかにした。本研究の結果より立体接合部の補修・補強への展開への可能性も併せて示した。
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