公園・緑地といったものは、公共に対して大きなメリットがあるにもかかわらず、民間企業が取り組みにくい分野である。しかし、例えば緑地であれば、快適になるまでの育成期間が長い。そういった既にあり醸成に技術や時間のかかるものについては、その恩恵を受けることとなる住民がかかわる場が求められる。住民型PFIの仕組みを以下のように提案する。 1)市民が公共空間の管理にかかわる背景には、その必要性や意義がの明確化が重要である。そのためのポイントとして(1)満足感という報酬を得る、(2)利用者としてのニーズ理解、(3)自分の特技が活かされる場となることが重要である。 2)資金調達に代わる資源としては、どれだけ人がかかわり、様々な維持管理・利用のために係るのかといったところが通常の資金に代わるものとして重要な資源である。そのためには(1)市民の愛着、(2)良い既存の緑地があること、(3)親しまれてきた普遍的価値のある既存の設備があることが重要である。 3)インフラ整備がどのようにして行われることが望ましいのかを整理すると、(1)全体方針はある統一的考え方に基づいたチームが判断して行うことが大事で、(2)植生管理も、リーダーシップを取れる体勢があることで、はじめて成り立ことがわかり、(3)立地・交通が良いことも重要であることがわかった。 4)運営・企画が、ニーズにあった内容となるための工夫がとして、(1)企画運営にユーザーの意見、特にユーザーでもあるボランティアでかかわる人の意見を十分に取り入れるための仕組みがあること、(2)植生管理との一体性をもたせるために、強いリーダーシップを持つ人がある程度継続的にかかわることが重要で、(3)周辺地域との連携性が、存在価値を高めていることがわかった。 5)人材育成として、(1)まちづくり力を持ち、周辺の街づくりにも協力できる人材となったか、(2)周辺住民の関心度が高まっているかどうかが重要である。
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