研究課題
本年度前半は、イギリス住宅市場の動向とコミュニティ・プランの内容を把握するため、ODPMのHPに掲載されている行政資料を用いて、文献調査を行った。コミュニティ・プランの中に掲げられたHousing Market Renewalのパイロット事業がバーミンガム・サンドウェルや北スタフォードシャーなどで展開され、一定の成果を収めつつある。パイロット事業地区には、2006年3月までに5億ポンドが投入されることも決定しており、その事業手法や更なる展開が注目されるところである。一方、都市・住宅政策に関しては、ハウジング・コーポレーションの権限や政策内容・パフォーマンスに関する中央政府の監督などを強化する中央主権的な傾向が見受けられる。また、他方では、地方分権やコミュニティベースの政策展開を促進するような動きも見られる。今後は、こうした文献調査をさらに進めつつ、現地でのヒアリング調査や住宅地開発の視察を行い、住宅政策およびその成果と市場の動向との関連について分析を進める。ハウジング・アソシエーションの活動にかかわる制度的改変とその影響に関する調査については、文献調査を現在おこなっている。次年度も継続して行うこととする。3月よりロンドンおよびバーミンガムで住宅地開発の現地視察および自治体、研究者らにヒアリングを行い、住宅政策の変化と市場の動向に関する情報収集を行う予定である。2月には、イギリス住宅政策と他のヨーロッパ諸国の住宅政策および非営利組織の動向を比較するため、オランダ・アムステルダム・ロッテルダムにて社会住宅開発地の視察を行った。オランダの社会住宅は、イギリスと同様、持家政策や民営化政策によって、そのあり方の再検討が迫られていることが明らかとなった。
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Proceeding of APHR Conference on Housing and Globalization, Kobe, Japan
ページ: 397-403