17年度および18年度に訪問した中国・韓国・日本の歴史的都市のデータを分析し、比較文化の枠組みを構成した。 枠組みの項目は以下のとおりである。 1)都市の歴史的概要 2)都市計画の基本的な構成 3)都市計画の代表的な特徴 4)目印になっている建物の概要:建てられた時代、保存の原理、維持の条件・状態 5)木造建築の事例・データベース 6)木造建築保存・再生についての考え方と実践 7)木造居住環境の保存・再生一市民参加、行政政策、NPO/NGOなど 8)木造居住文化的景観-それぞれの都市について文化的景観の定義 9)木造居住文化独特要素と木造居住文化普遍的な要素の役割-比較文化の分析の基本 10)木造居住環境の保存・再生の課題・方向 韓国のアンドン市とチェジュ島の町についての資料を韓国語から、中国の水の町、杭州・蘇州についての資料を中国語から、および秋田県の大仙市角館(旧角館町)と八峰町峰浜(旧峰浜村)の手這坂についての資料を日本語から、それぞれ英語に翻訳し、保存・再生作業や事例監修を行った。 また、峰浜村の茅葺民家保存・再生に携わっているNPOと協力し、国際教養大学の学生を実際に峰浜村へ同行しNPO活動に参加させたことがきっかけとなり、今後も継続的に、学生が峰浜村の茅葺民家の保存・再生について学び、また毎年夏には実際の茅葺民家再生活動に参加することとなった。
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