研究概要 |
本研究は,20世紀初頭に活躍したイギリスの都市計画家パトリック・ゲデスの,インドにおける都市計画の理念と計画手法を明らかにし,さらにゲデスの都市計画とインドの近代都市形成との関連を検証することを目的としている。 18年度はスコットランド国立図書館(National Library of Scotland),ストラスクライド大学において,新たにラクナウ,カプールタラの2都市に関するインディア・レポート資料([Town planningin Lucknow : a report to the Municipal Council,1916],[Town planning in Kapurthala : a report to the H. H. The Maharaja of Kapurthala,1917])を収集し,昨年度に収集した資料もふまえ, (1)各都市における計画理念とその類型 (2)フィジカル・プランニングの具体的手法 (3)「保存的外科手術」において保存,継承される都市要素 (4)都市機能の改善と住民の生活環境の維持との調整手法 (5)社会組織と計画単位 等の視点により,ゲデスの都市計画理念と手法の分析作業を継続した。 また,ゲデスの提案がどのように現地の都市計画に採用され,都市形成において実現したのか,またその後どのような変容を受けたのかを明らかにするために,ラーホール(パキスタン),コロンボ(スリランカ)を対象とした臨地調査を実施し,ゲデスの計画地区の特定,都市構成,施設配置の現状等に関するフィールドサーベイをおこなった。
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