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本年度は主に3つの調査を行った。ユニットケア型特別養護老人ホーム1施設における調査(1)と、ユニット型老人保健施設における調査(2)、認知症高齢者グループホームにおける調査(3)である。
調査(1)では、夜間時における利用者の行動と介護の様態について観察調査を行った。夜間時の要介護高齢者の生活行動の実態と、それに関わる介護の様態はこれまで十分な調査がされてきておらず明らかになっていない。今回はユニット型施設における調査を通して、利用者の生活様態と介護の様態とから、夜間勤務のスタッフの滞在場所や、ユニットの空間構成がその介護に影響を及ぼしている実態が明らかになった。
調査(2)では、全国でも珍しいユニット型の老人保健施設における利用者の生活実態と空間利用の関わり、介護の様態と空間との関わりについて、丁寧な観察調査により明らかにした。特別養護老人のホームのユニットケアとは異なる生活の姿や、介護によって左右される空間利用の実態などを明らかにした。
グループホームにおけるスタッフと利用者との「関わり」の様態を観察調査により明らかにした。調査対象施設における結果としては、短時間ではあるが個別的な関わり合いが、断続的に展開されるグループホームにおける生活と介護の実態と、関わりによってもたらされる認知症高齢者の生活展開の広がりを明らかにした。個々を支える形は、それぞれの生活の形と連動するものであり、きわめてきめ細やかな対応とそのための場が必要になる実態が明らかになった。また空間構成の違いが関わりの形に影響を及ぼす実態も明らかにされた。
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