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2005 年度 実績報告書

層間ドーピングによる六方晶窒化ホウ素の光電子機能設計

研究課題

研究課題/領域番号 17760527
研究機関京都大学

研究代表者

大場 史康  京都大学, 工学研究科, 助手 (90378795)

キーワード窒化ホウ素 / 第一原理計算 / ドーピング / イオン化エネルギー / 形成エネルギー / 電子構造
研究概要

六方晶窒化ホウ素(h-BN)のp型,n型ドーパントの探索を目的として,第一原理計算によりh-BN中の不純物のイオン化エネルギーと形成エネルギーを立方晶窒化ホウ素(c-BN)と比較しながら系統的に評価した.具体的には,200〜300原子から成るc-BNおよびh-BNスーパーセル中に様々なドーパント元素を導入し,第一原理PAW法による構造最適化計算を行った.得られた全エネルギーを用いて不純物のイオン化エネルギーと形成エネルギーを求め,これらの値をもとにp型,n型化に適したドーパント種を考察した.
まず,c-BNのp型,n型化の実績のあるドーパントであるBe,Sのイオン化エネルギーについて検討した結果,c-BNについての計算結果は報告されている実験値をよく再現した.h-BN中ではBe,Sのイオン化エネルギーはc-BNと比べて大きな値となり,これらはドーパントとしては好ましくないことがわかった.一方,h-BN中ではSの形成エネルギーがc-BN中に比べ大幅に低下した.これは,Sがh-BNの層間の空隙へ移動することで,置換するNとの大きなサイズミスフィットを十分に緩和できるためと考えられる.この振る舞いは,h-BN中ではc-BN中に比べてミスフィットの大きな不純物の形成エネルギーが低下し,より高い固溶度を持つ可能性を示している.そこで,サイズミスフィットの大きな不純物も含めて系統的な計算を行った.その結果,一般的にc-BNに比べて低い形成エネルギーが認められたものの,イオン化エネルギーは1eV以上の高い値となった.一方,層間にアルカリ金属元素を挿入した場合,浅いドナー型の準位が形成されることがわかった.これは,層間へのアルカリ金属元素のドーピングによるh-BNのn型半導体化の可能性を示唆する重要な結果である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Debye temperature and stiffness of carbon and boron nitride polymorphs by first principles calculations2006

    • 著者名/発表者名
      T.Tohei, A.Kuwabara, F.Oba, I.Tanaka
    • 雑誌名

      Physical Review B 73・6

      ページ: 064304-1-7

  • [雑誌論文] First-principles study of cation disordering in MgAl_2O_4 spinel with cluster expansion and Monte Carlo simulation2006

    • 著者名/発表者名
      A.Seko, K.Yuge, F.Oba, A.Kuwabara, I.Tanaka, T.Yamamoto
    • 雑誌名

      Physical Review B 73・9

      ページ: 094116-1-6

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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