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2005 年度 実績報告書

温水処理を伴うゾルーゲル法による層状複水酸化物薄膜の直接合成

研究課題

研究課題/領域番号 17760546
研究機関大阪府立大学

研究代表者

忠永 清治  大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (90244657)

キーワード層状複水酸化物 / ゾル-ゲル法 / 温水処理 / 陰イオン交換体 / 薄膜 / 炭酸イオン / ドデシル硫酸イオン / インターカレート
研究概要

層状複水酸化物(LDH)は、様々な陰イオンを層間に挿入できることが知られている陰イオン交換体である。このLDHは通常、沈殿として作製されるが、コーティング膜として様々な基材の上に形成できれば、LDHの応用が広がることが期待される。本研究では、ゾル-ゲル法で作製したアモルファスのAl_2O_3-ZnO系薄膜を温水処理することによって、炭酸イオンが層間に挿入されたZn-Al系LDH微結晶が基板上に生成することを見出した。具体的には、酢酸亜鉛2水和物とアセト酢酸エチルで化学修飾されたアルミニウムブトキシドを使用してコーティング溶液を調製し、この溶液を用いてガラス基板にディップコーティングし、400℃で熱処理することによってアモルファスのAl_2O_3-ZnO系薄膜を作製した。この薄膜を、98℃の温水に浸漬したところ、15分の浸漬によって白濁することがわかった。電子顕微鏡により組織を観察したところ、膜表面に1μm以上の大きさの六角板状の微結晶が緻密に析出しており、X線回折測定により、0.72nmの層間隔をもつ層状結晶が析出していることが確認された。この結晶は、炭酸イオンが挿入されたZn-Al系LDHのピークに帰属され、温水中に空気より溶存した炭酸イオンが層間に挿入されたと考えられる。さらに、LDHにインターカレートすることが知られている界面活性剤のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を温水処理の際に添加した場合には、面間隔2.7nmの層状結晶が析出し、ドデシル硫酸イオンが挿入されたことが確認できた。LDHは通常粉末として作製されるが、本研究で得られた方法では、透明なガラス基板上に直接析出させることができるため、その生成機構の検討や光学的な応用の可能性を広げると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Platelike Crystal Growth of Zn-Al Layered Double Hydroxide by Hot Water Treatment of Sol-Gel Derived Al_2O_3-ZnO Films on Glass Substrate2006

    • 著者名/発表者名
      N.Yamaguchi
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 35・2

      ページ: 174-175

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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